【受け身表現のまとめ】被・让・叫の違い+その他の表現

「〇〇は~された」のような受け身表現には大きく分けて3種類ある。
今回はその①介詞「被・让・叫」等を用いる表現、②動詞「挨・受・遭」を用いる表現、③介詞や動詞を用いない意味上の受け身表現、の3つについて見ていく。
介詞「被・让・叫」を用いた受け身表現
「~された」「~させられた」などの意味を表すため、介詞を用いた場合の表現。
「ここは~と呼ばれている」など、必ずしも「被害をこうむった」といった悪い意味合いにはならないが、「彼らによって~された」とあえて言うと被害をこうむったという意味合いが強まる。
苏州 被 称作 "东方威尼斯"。
蘇州は「東洋のベニス」と呼ばれている。
語順
「AはBに…される」はA + 被/让/叫 + B + 動詞フレーズの語順。この受け身構文では動詞の後ろに「~されて(結果)どうなったか」を、補語や"了"を伴って表す。
また、"没"、"又"などの副詞は"被"などの前に置く。
胡萝卜 又 被 兔子 偷走了。
人参はまたうさぎに盗まれた。
他 终于 被 大家 说服了。
彼はとうとう皆に説得させられた。
「被・让・叫」の違い
"被"は「我的词典被拿走了(私の辞書が持っていかれてしまった)」のように「誰によって~」の動作主を省略することが出来るが、"让"、"叫"は省略ができない。
また、"让"、"叫"は"被"に比べてやや口語的で、話し言葉に多く用いられる。
我的手机 被 弄丢 了。
私の携帯電話は失くされてしまった。
我的手机 让 孩子 弄丢 了。
私の携帯電話は子供に失くされてしまった。
× 我的手机 让 弄丢 了。
× 私の携帯電話は失くされてしまった。
"他又让人打了"という文だけを見ると、「彼はまた殴られた(受身)」とも「彼はまた殴らせた(使役)」とも訳すことができます。けれども、"你弟弟怎么哭了?"という文が前にあれば、これは「彼はまた殴られた(受身)」だとわかります。受身か使役かの見分け方は、前後の文と場面から判断するということです。
長澤 文子, 盧 尤(2015)「MP3音声付き 出るとこだけ! 中国語検定 3級 合格一直線」p.79
"把"構文への言い換え
「〇〇を~する」という"把"構文と、「〇〇は~された」という"被"構文は言い換えが出来る場合が多い。
虫子 把 这几棵白菜 咬坏了。
虫がこの数株の白菜を食い荒らした。
这几棵白菜 被 虫子 咬坏了。
この数株の白菜は虫に食い荒らされた。
動詞「挨・受・遭」を用いる表現
「A + 挨/受/遭 + (B) + C」で「Aは(Bに)Cされる」の表現になる。"挨"、"遭"は良くないことに用いられることが多い。
我 又 挨了 他 一顿骂。
私はまた彼にひどく𠮟られた。
他 遭到了 严厉的处分。
彼は厳しく罰せられた。
大片的农耕地 受到了 洪水的影响。
広い農耕地が洪水の影響を受けた。
意味上の受け身表現
介詞や動詞を用いない、意味上の受け身表現。受動者または物が主語になる。
日本語では「~された」「~られている」などの表現になっているが、中国語では受け身の表現になっていない点に注意。
点的菜 一个接一个地 端上来了。
注文した料理が1つまた1つと運ばれてきた。
猕猴桃 含有 大量的维生素C。
キウイフルーツには大量のビタミンCが含まれている。
昨天晚上 孩子 哭得 特别历害,没睡着。
昨晩は子供にひどく泣かれて眠れなかった。
大家 都 认为 太郎 是 非常开朗的人。
太郎は皆から本当に明るい人だと思われている。
老师 说 明天 你 要 上学。
先生に明日は学校に来るように言われた。