中国語で映画の感想を言おう!「最高」「まぁまぁ」「泣ける」「名作」…etc.
本やドラマ、映画の感想を中国語で言う際、「有意思」(面白い)だけじゃ少し味気ないですよね。
程度副詞を使って「どのくらい」良かったか、またどんなところが良かったのか、あるいは「"つまらない"とまでは言わないけど"イマイチ"」だと言いたい時はどんな言い方なのか…。さまざまな表現をここでは紹介します。
単語でニュアンスを表す
太棒了/棒极了 | 最高、すごくいい 「这个电影棒极了!」(この映画、すごい良かった!) |
了不起 | すばらしい 「真了不起!」(すばらしい!) |
精彩 | (演技・芸能・文章などが)すばらしい、見事である 「多么精彩的电影啊!」(なんて素晴らしい映画なんだろう) |
出色 | (成績・仕事ぶりなどが)すばらしい、一際優れている 「她的表演很出色」(彼女の演技が見事だった) |
极好/特别好 | とても良い 「我觉得极好的脚本。」(とてもいい脚本だと思った) 「《罗小黑战记》特别好。」(「羅小黒戦記」はとても良かった) |
有意思 | 面白い 「这本书很有意思。」(この本は面白かった) |
还可以 | まぁまぁだ 「这个电影还可以。」(この映画はまぁまぁだ) |
一般 | 普通である、ありきたりである 「这个新电影很一般。」(この新しい映画は微妙だった) |
没意思/没劲 | つまらない 「这部电影真没劲!」(この映画、本当につまらない!) |
「面白かった」で"了"を使わない
「面白かった」と表す際、日本語につられてつい「有意思了」と"了"を使ってしまいたくなりますが、「完了・変化」などの意味を持たせるケースなどを除いて基本的に"了"は使いません。
なお、「太〇〇了!」や「〇〇极了!」は程度を表す時の固定のフレーズなので過去や変化・完了といった意味はありません。
程度副詞で面白さの度合いを表す
単語で「素晴らしい」「つまらない」を言い表すほか、「すごく」「中々」「ちょっと」などの程度副詞を使って面白さの度合いを表現できます。
「面白い」を表す"有意思"を例に挙げて見ていきます。
最+[形容詞]+(的) | 最も良い 「最有意思的。」(いちばん面白い) |
太+[形容詞]+了 | ~すぎる 「太有意思了!」(面白すぎる!) 「太+[形容詞]+了」は固定のフレーズなので「了」の省略は不可。マイナスの意味の時は「太+[形容詞]」で言い表すことができる。(太没意思=つまらなさすぎる) |
特别+[形容詞] | とくに~、とりわけ~ 「这部电影特别有意思。」(この映画は特に面白かった) |
非常+[形容詞] | 非常に~、きわめて~、とても~ 「这部电影非常有意思。」(この映画はすごく面白かった) |
真+[形容詞] | 本当に~、実に~ 「这本小说真有意思。」(この小説は本当に面白い) |
很+[形容詞] | とても~※ 「这个电影很有意思。」(この映画は面白い) ※「很」は文法上必要なため置かれていることが大半で、「とても」の意味を含まず単に形容詞を導く役割として置かれていることが多い。「とても」の意味を含ませるときは強く「很」と発音して強調する。 |
挺+[形容詞]+(的) | けっこう、なかなか 「这个电影挺有意思的。」(この映画は中々面白い) 「挺」は「很」よりは程度が低い。また、後に「的」を伴うことが多いが省略されることもある。 |
有点儿+[形容詞] | 少し~、まぁまぁ~ 「这部电影有点儿意思。」(この映画は少し/まぁまぁ面白い) 「有点儿+有意思」は"有"の字が2回続くため語呂が悪いので、「有点儿意思」と省略して表される。 |
おもしろさを表すことばには“有意思 you yisi”、“有趣(儿) you qu(r)、“好玩儿 haowanr”、“好笑 haoxiao”などがあります。いずれも「おもしろい」という意味ですが、細かな違いがあります。“有意思”「(楽しくて) おもしろい、“好玩儿”「(愛嬌があって)おもしろい、“好笑”「(おかしくて) おもしろい、“有趣(儿)”は書きことばとして使われることの多い表現です。
張曄(2012)「中国語でいまのきもち」p.104
さまざまな表現の例文
その他、様々な感想の表現を紹介します。
・那部电影会让人流泪。
あれは泣ける映画だ。
・难怪那么受欢迎呢。
評判になっているだけはある。
・不愧是经典之作。
さすが名作だ。
・能看这部电影真是太好了。
観て良かった(この映画を見ることができて良かった)。
・他拍的电影很有味道。
彼の映画は味がある(彼の撮った映画は味わい深い)。
・难以用语言表达。
言葉では表せない。
・我想早点儿看到这部电影(动画)的续篇。
この映画(アニメ)の続きが早く観たい。
・帅哥(美女)能让人饱眼福。
イケメン(美女)が目の保養。
・声音有磁性。
声が渋くて素敵。
・◯◯是我的最爱!/◯◯是我的本命!
◯◯は私の一番のお気に入り(推し)!
・没有想像中那么好。
思ってたほど良くなかった。
・太棒了!太精彩了!
最高だった!超良かった!
〇这部电影很好看。〇这个电影拍得很好。
中国語としてはまったく問題ありませんが、このような言い方ですと、「この映画はおもしろいです」「これはいい映画です」などのように、1つの事実を淡々と述べているように聞こえてしまいます。
すばらしい映画を観たあと、「あー、いい映画だったなあ」という気持ちを表すには、やはり感嘆文を使うほうがいいでしょう。以下にいくつか自然な表現を紹介しておきます。ちなみに映画の量詞は"部"でも"个"でもOKです。
◎啊,真是一部好电影!
◎这部电影真棒!
◎这部电影拍得真好!
◎这个电影太好看了!/这个电影真是太有意思了!李軼倫(2019)「ちょこっと中国語翻訳:ネイティヴらしく表現するコツ」p.96
参考書籍
今回の参考書籍はこちら。
「ドタキャン」「おかげさまで」「カレーにハマってて」「ぼちぼち」「どうぞお構いなく」…など、ちょっとしたことを言い表したいけど中国語でどう表現したら自然になるんだろう?という問いに答えてくれる本です。
投稿者からの作文を添削する形で、「こうでもいいけど、こっちの方がニュアンスが近い」「このほうが自然な言い回し」「中国人ならこう表現する」…など、ありがたい説明がふんだんに載っています。
超初心者の方が眺めるには少しレベルが高いかもしれません。ある程度中国語を学んだ上で、自然な表現・適切な言い回しなどを追求したい方におすすめです。
「たのしい」を表す"高兴"、"快乐"、"愉快"はどう違うの? 最大級の申し訳なさを表すときと軽く謝りたいときはどう違う?…などといった疑問に答えてくれる本です。
おおまかに「ポジティブな気持ち」「ネガティブな気持ち」「いろいろな気持ち(びっくり、感動、断る、リラックス…等等)」に分けられていて、個人的には「悪口」「不満」「落ち込む」…などのネガティブな言い回しを紹介している本は珍しいと思いました。
基礎的な日常会話の表現が多く、目次の分け方もスッキリしているので初心者の方でもとっつきやすい本だと思います。
アルク社から出ている本なので、アプリで音声DLもできて便利です。結構分厚いです。
「できた書類から五月雨式にください」「今朝はメイクのノリが良い」「大人の事情でカットされたのかな」「このブログ炎上しちゃってる」…等等、中国語で表しづらい&教科書にはまず載ってない表現がふんだんに掲載されています。この本に載っている表現を一通り覚えたらかなりネイティブに近づけるのではないでしょうか(膨大な量ありますが…)。
くだけた表現も多いので、やはり基礎が身についている人向けな印象です。
語学において今風な単語・言い回しを覚える優先度はそこまで高くないと私は思っていますが「現地で暮らしている」「SNSで今発信したい」など、今まさに必要としている人にとっては心強い味方になってくれる本だと思います。